こもれびより-朗読
- こもれびスタッフ
- 2021年8月27日
- 読了時間: 2分
「朗読とかいいんじゃないですかね?」
というスタッフ根本の一言がきっかけでした。
隔月開催の「こもれびより」も緊急事態宣言を受けて6月は中止、そのまま収束の兆しも見えず感染者数は増える一方、とは言っても8月もやらないとなっては中止癖がついてしまう…
そこで、参加者の発言を最小限にしつつイベントとして成り立つもの、ということで「朗読」を提案してくれたのでした。
これまでで16回と回数を重ねたこもれびより、ありそうでなかった企画に満場一致で(と言ってもその場にいたのは三人でしたが)いいね!となり開催の運びとなりました。
せっかく語学塾こもれびでやる朗読なので、英語とフランス語でやってみよう。
でも、英文学を選んではフランス語が浮かばれないし、仏文学を選んでも英語の顔が立たない。
というそれぞれの言語へのさりげない配慮の結果、そうだ日本文学の英訳・仏訳を読んでみよう、といった中道に落ち着き、発案者の根本さんにお願いして選ばれたのが今回の題材となる『山月記』。
中国の説話「人虎伝」をもとに中島敦が執筆した本作、大昔に読んだ憶えはおぼろげにあるものの内容もほとんど忘れていましたが、今回朗読するにあたり日本語原文と仏訳とを照らし合わせながら読みました。
自我を持て余した李徴の内面世界の描写は、フランス語を通しても驚くほど違和感なく読めます。醜いながら己と向き合う姿はいみじくも、古今東西を問わないのでしょう。
というわけでいよいよ明日、「会場での発言を最小限に」と画策したにもかかわらず結局「配信」という形態をとることにしましたが、こもれびより Vol.17 開催です。時間は14時~15時。
英仏双方、あるいはどちらか一方でもわかれば日本語との表現の違いを楽しめるでしょうし、どちらもわからないとしても、今回の立役者根本による日本語朗読を頼りに内容を追いながら、普段あまり集中して聞くことのない(かもしれない)英語、フランス語の響きに耳を澄ましていただけます。
メールでのお申込みは終了しましたがPeatixでの受付はまだ可能ですので、明日お時間ある方はぜひ、ご参加お待ちしております。
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