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旅路

  • 2019年3月15日
  • 読了時間: 4分

先日、青春18きっぷを使って旅をしてきました。5日間の一人旅は、とにかくたくさん電車に乗った旅でした。東京から浜松へ、さらに一気に松山まで行って、高松、名古屋を経て帰ってきました。

観光スポットを見て回る時間よりも移動する時間の方が長かったので、電車に乗ることが手段ではなくて目的、のような旅でした。


私は鉄道オタクではないけれど、電車が好きです。本を読んでも乗り物酔いしないのが車やバスよりも好きなところ。各駅で止まってくれて、乗り換えしなくてはいけなかったりするおかげで適度に空気の入れ替えができて、長時間の移動でも息が詰まらないのが飛行機よりも好きなところ。

あとは、窓の外を見ると、車よりも遠くが見渡せて、飛行機よりも近くが見える、という風景とのちょうど良い距離感も好きです。


ちなみに、時々聞かれるので書いておくと、青春18きっぷは年齢制限なく誰でも使うことができます。

18歳以下の人しか使えない切符であるか、あるいは、“青春”が18歳までのものであるかのような名前をしているな、と私もちょっと思ったことがあります。

名前の由来を調べてみると、Wikipediaの青春18きっぷの項目にはこのように書いてありました。


「青春18きっぷ」の名称の由来については、当時国鉄旅客局長だった須田寛により、青少年・学生をイメージした「青春」と、その象徴的な年齢で「末広がりの8」にも通じる「18」を組み合わせたと、後年に須田が説明している。


というわけで、何歳になっても青春を過ごすことはできるし、青春18きっぷを使うこともできるのです!青春18きっぷ旅、のんびりしたい方にはおすすめです。


青春18きっぷというと、お金はないけど時間はある学生がよく使うイメージがありますが、私は年齢を重ねても体力の許す限り、青春18きっぷでの電車旅をしていきたいな、と思っています。

新幹線とか飛行機とか、もっと速く目的地にたどり着ける手段を使えば、より多くの場所に行くことができて、より多くのものを見ることができるのは確かです。でも、目的地になるような場所で見る景色だけが全てではないし、むしろ、目的地にあまりなることのない、素通りされてしまうような、誰かの日常に溶け込んだ景色の中にこそ本当に大切な何かがあるのではないか、と移動ばかりだった今回の旅を通して感じたのです。


私がここで言う「景色」には、自分の目に映る風景はもちろん、その風景を眺めている自分の内面、眺めている時間も含まれていまして。

その場所とそこに立つ自分を丸ごと含み込んだ風景を、私は「景色」と呼びたい。様々な物質が組み合わさって存在している風景に、その風景の前に立つそれぞれの人が「色」を与えるのではないかと思うのです。


…なんて、私の思う「風景」と「景色」の違いなんかを書いていたら少し話が逸れてしまいました。

目的地までの道のりの方に大切な何かを見出した私ですが、今回の旅ではもちろん、多くの人が集まる有名な場所に行って、人気が出るのも頷けるという魅力を味わうこともできました。

(お気に入りスポットの写真をいくつかアップしてみました。よろしければご覧ください。フィルムの味わいってなんか良いですよね…!

→  https://note.mu/risat/n/ne4dc665c76e9)

こういう目的地がなければ青春18きっぷで旅行をすることを思い立つことはなかったと思うので、目標地点があるに越したことはないし、今回の旅は目的地があっての道のりだったなと思います。

でも、目的地を事前に決めずに行き当たりばったりの青春18きっぷ旅もしてみたいものだなぁと、今回の旅の成功に気を良くした私は画策したりしています。


いずれにしても、自分の足を実際に運んで五感を働かせて自分だけの「景色」を体に刻み付けるような、目的地のあるなしに関わらず、道中をじっくり楽しむような旅の仕方をこれからもしていきたいと思ったのでした。



毎週金曜日にこもれびのスタッフたちによって更新されてきたこちらのブログ。

ここに載せる文章を私が日本で書くのは、しばらくの間はこの記事が最後になりそうです。

来月から1年弱の間、モロッコへ行ってまいります。

更新日、更新頻度のリズムを乱す予感がすでにしてはいるのですが、これからはモロッコの地から文章をお届けします。忘れた頃にやってくるものだと思って、次に塚本が姿を現す時をごゆるりとお待ちいただければと思います~!


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