左右が逆転する世界
- 2018年12月21日
- 読了時間: 3分
こんにちは。塚本です。
先日、Nくんがスマホの設定言語をフランス語にしていると話しているのを聞きました。
Nくんというのは、こもれびでフランス語を習い始めたばかりの生徒さんです。
そんな彼が、わからないなりにも日々スマホの画面を通してフランス語に触れているということを知って、感動しつつも、私も負けていられないな、と思ったのでした。
外国語を学ぶ上で、毎日触れるということはとても大切だと思っているので、以前から私はスマホをフランス語設定にしていたのですが、フランス語での操作にも慣れてきてしまっていた頃でした。
Nくんも慣れない言葉で使っているし、私もそろそろ違う言語にしてみようかな…
と思い立ち、私は習い始めて2年目になるのに未だに慣れず、苦手なアラビア語に設定を変えることにしました!
設定言語をアラビア語に変えて、まず驚いたのが、スマホのほとんどの画面が左右反対になっていることでした。
例えば、カレンダーはこんな感じです。

これは今年の12月のカレンダーです。日本語や英語、フランス語などのカレンダーであれば、一番左が日曜日、右が土曜日で、12月1日は土曜日なので右側に表示されるはずです。
ですが、アラビア語だと、一番左は土曜日に、右が日曜日になっているので、12月1日の土曜日は左上に来ています!
アラビア文字は右から左に向かって書くので、こんな風になっているのです。
カレンダーだけでなく、色々な表示、操作が普段とは左右逆になっているので、戸惑いました。
それから、数字にも慣れていません…
アラビア語に設定を変えた初日は、時計を読み間違えることもしばしばでした。
上のカレンダーを見ていただくとわかるのですが、インド数字の5は卵のような形をしていて、どうしても0に見えてしまうのです。一方、インド数字の0はただの点のようなもので表されます。
1や9はアラビア数字のものと似ているので、わかりやすいですね。
あ、そうそう、アラビア語で使われる数字は「インド数字」と呼ばれます。インドから伝わって来た数字だから「インド数字」。
この「インド数字」がヨーロッパに伝わって形が変わったのが、私たちもよく使っている0,1,2,3,4,5,6,7,8,9という「アラビア数字」です。
アラビア語で使われる数字は「アラビア数字」ではなくて「インド数字」ですし、「インド数字」はインドでは使われていないようなので、なんだか紛らわしい名前ですよね。
先ほど、アラビア語は右から左に向かって書く、と書きましたが、2桁以上の数字に関しては例外なのがまたややこしいのです。(先ほどのカレンダーを見てすでにお気づきの方は鋭いですね!)
どういうことかというと、下の写真を見ていただくとわかりやすいかと思います。

ここに書かれているのは、ニザール・カッバーニーという詩人の生没年です。
生まれた年である1923は右側に書かれていて、全体としては右から左に読むのですが、「1923」という数字の並び方は普段私たちが目にするのと同じ順番になっています。
日付や時刻などもこれに当てはまり、すべてを純粋に右から読むわけではないのです。
スマホですることはだいたい決まっていて、操作自体には慣れてしまっているので、言葉がわからないから操作ができない、という事態に直面することは思いのほか少ないです。困った時には馴染みの日本語やフランス語に設定を戻したりしながら、私はこうしてアラビア語に親しむ日々を過ごしています。
外国語を学んでいらっしゃる方は、(お使いの機種が対応していれば)スマホや、普段からよく見るものに外国語を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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